批評について
「xxを」批評するというのではなく、その対象についてあきらかにする、あるいはそれを開いていくこと。それが批評だというイメージがある。
その対象を暗くするような、なにかしらの覆いがあり、それを取り払うことでその対象は見えるようになる。この可視化のプロセスじたいが批評である。その対象についての再評価を行い、対象を不可視化する覆いへの洞察が行われる。
「対象を」批評しようとすると、対象を対象として扱う必要がある。批評によって、その対象は措定される。その際おこなわれる評価こそが、その対象を不可視化する覆いではないか。そうすると、自分がイメージしている批評というものは、その対象を批評する行為に対する批評である。
「近代日本の批評 昭和篇」を読みながらそんなことを考えていたが、詳細はいずれ書ければいいな。